去勢・避妊について
避妊手術と去勢手術にはそれぞれ良い面もあれば悪い面もあります。これらを十分にご理解くださいますようお願いいたします。
【方法】
左右の精巣(睾丸)を摘出します。
【メリット】
- 発情に伴う行動やストレスの解消(マウンティング行動、マーキング行動、スプレー行動、放浪癖、テリトリー意識の減少、発情に伴う鳴き声の減少など)
- 攻撃行動の減少とそれに伴う感染症の予防(特に猫の場合)
- 精巣に関連する病気の予防(精巣腫瘍、精巣炎など)
- 前立腺の病気(前立腺肥大など)、会陰ヘルニア(お尻の筋肉が破れる病気)、肛門周囲腺腫(肛門周りの良性腫瘍)の予防
【方法】
左右の卵巣と子宮を摘出します。
【メリット】
- 望まない妊娠の予防
- 発情に関わるストレスやトラブルの解消(食欲不振、発情出血の消失など)
- 発情に関わる問題行動の解消(異常な鳴き声の消失、オスが寄り付かなくなるなど)
- 子宮・卵巣の病気の予防、乳腺腫瘍の予防(初回発情前の手術で発生を9割以上予防)など
- 運動量の減少により肥満傾向になります。
- ホルモンバランスの変化により、脱毛や毛質の変化、尿失禁が現れることがあります。
- 手術時には、全身麻酔が必要となります。
- 術後に暴れたり腹部に大きな衝撃が加わったり傷口をなめたりすると、皮膚の下の腹壁や皮膚を縫った糸切れてしまうことがあります。その場合は、再手術が必要となります。
- 稀ではありますが、手術のときに使用した糸に対するアレルギー反応により、体調不良になったり糸を使用した部位やその他の部位に肉芽腫(しこり)ができることがあります。 この場合、内科的な治療や糸やしこりを取り除く手術を必要とします。
基本的には生後6ヶ月齢からできますが、個々の成長具合により遅れることがあります。また、発情期前後や出産後は子宮が発達して血流が多くなり手術時の出血のリスクが高くなることから、1~2ヶ月ほど手術を延期することもあります。
高齢になるにつれて、麻酔に対するリスクは高くなりますので、できるだけ若いうちに手術することをお勧めします。
手術に際して全身麻酔を必要としますので、術前検査(血液検査、レントゲン検査)を行います。もし異常が見られた場合は、手術を延期もしくは中止することもあります。
飼主さまに下記のことをお願いいたします
- ① 手術前日21時からの絶食と、手術当日の朝からの絶水
- ② 手術後は動物を安静状態に保ち、体調の変化を見守る
- ③ 手術部位をなめさせないようにし、手術部位に異常がないか確認する
手術部位を確認してにはなりますが、手術後10日程度で抜糸ができます。
シャンプーができるのはそれから2日程度たってからになります。